京都女子短大卒業後、すぐに結婚し、双子をもうける。
その後専業主婦のかたわら、山晃住宅を創業し、会社を発展させる。「人に能力の差はない。誰だって成功できる！」が口ぐせ
株式会社 山晃住宅ホールディングス
代表取締役 会長
山晃住宅が産声を上げたのは昭和４７年。わずか２０坪の住宅兼用の事務所からでした。しかし当時の私は、不動産に関してズブの素人。お店はずっと閑古鳥が鳴いている状態でした。
そんなある日。通りすがりの老夫婦が突然来店され、「娘夫婦のために大阪で賃貸マンションを探して欲しい」とおっしゃいました。奈良と大阪では商圏エリアが違うので、普通ならお断りします。しかし私は思いました「何とかして、このお客様のお役に立ちたい」そこで大阪の不動産業者を電話帳で調べ、希望に会う物件がないか何軒も電話をかけ続けました。そして・・・やっと３件の賃貸マンションを見つけたのです！老夫婦は、そのうちの一軒を気に入っていただけました。「前田さんのおかげで、とてもいいマンションが見つかりました。ありがとう」老夫婦に感謝されたとき、私は言い尽くせないほどの感動を覚えました。
「お客様のために一生懸命やって良かった！」そして初めて仲介手数料というものをいただいたのです。初めて実感する不動産の仕事の喜びでした。この経験から現在も、「お客様のために一生懸命考え、ベストを尽くす」という姿勢を大切にしています。
ある時、３５室の新築マンションを建てる人がいるという話を聞き、そのオーナー様・Ｔさんを訪問して申し入れました。
「募集を私に任せてください！」私の申し出にＴさんは答えました。「取りあえず募集させてあげるから、２・３軒くらいがんばって決めてよ」普通なら、取引をさせていただけるということで、喜ぶところかもしれません。しかし私は大胆にも「３５室全部を私に任せてください！」とお願いしました。「あなたに全部任せて、もしも完成までに満室にならなかったら、私はえらい損害だよ」私はどうしたら自分に任せてもらえるか考え、とっさにこう答えました。「もしも完成までに満室にできなければ、その空室分は私が家賃を支払います！」Ｔさんは「そこまで自信があるならわかった。」と言って、全室を私に任せてくれることになったのです。私は決して自信があったわけではありません。全室を自分に任せていただき、約束どおり満室にすることで大きな信頼を得られる。そう考えて大きな約束をしてしまいました。しかしそれからが大変。当時、私を含めて社員はたったの二人。寝る間を惜しんで募集看板を付けて回ったり、知恵を絞って物件広告を打ちました。そして、約束どおり完成までに３５室を満室にすることができたのです！
こうやって一生懸命仕事に取り組み、創業１０年目には株式会社化。それから次々と６店舗を出店しました。
この間、特別なことはしていません。「どうすればお客様に喜んでいただけるか？」を一生懸命考え、気づいたことを即、実行する。これを徹底することで、どんどん事業が広がっていきました。ただし出店はすべて、奈良県下に集中しました。
これは「広く浅く事業を展開するのではなく、地域に密着してじっくりとお客様・オーナー様とおつき合いをする。」という私のポリシーに基づいたものです。そのおかげもあり、平成６年には自社ビルを建てるまでに発展しました。自社ビルの完成時には、山晃住宅は賃貸仲介会社として奈良県のトップ企業になっていました。
平成１５年。創業以来初めて奈良県外（静岡）に出店しました。進出後３年で４店舗を出店し、すでにエリアNo.1になりました。この静岡出店には、二つの大きな意味があります。
ひとつは社員が活躍する場が広がることで、社員が将来に明るい夢を描けるようになること。
そしてもう一つは、全国に山晃住宅のサービスを広げていく足がかかりになることです。全国を見渡したとき、当社のように賃貸に関する総合的なサービスをしっかりと提供している不動産会社はほとんど見当たりません。
全国の賃貸経営オーナー様が待ち望んでいる様々なサービスを提供することが山晃住宅の企業使命なのです。まだまだ規模は大きくありませんが、おかげ様で山晃住宅はこれまでに全国屈指の優良企業に成長することができました。しかしそれに慢心することなく、今後も大きなチャレンジ精神で新たな事業に挑戦していきたいと思っています。
